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鳴り響く踏み切りの向こうの世界

第3章 検証してみる

ふと耳を澄ます。踏み切りを覗き込む。意外な程列車はゆっくり走っていた。

『あらら…』

藤城の独り言が全てを物語っていた。目の前を悠然と列車が通る。因みに乗客はあまり乗っていない。

『なんだか微妙に間があるなぁ…』

警笛は止み遮断機が開き車が走り出す。俺は肩透かしを食らった。

『なんか死ねそうにはないな』

藤城は笑った。自殺を決意し、死ねない。しかもただでは済まない。ある意味最悪だ。もちろん実際に目の前に立ってみないと分からない。

『なんだかな…』

俺は煙草に火を点けた。

『長田…駅前に行かないか?かなり怪しい人になっているぜ』

藤城は踏み切りを渡り始めた。俺は慌てて後を追う。

踏み切りが鳴り響く。

俺は訳もなく振り返った。

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