テキストサイズ

無題

第3章 中盤

「シャワーで良ければ風呂入る?」

「入りたい」

「じゃあ先いいよ。タオルは用意してるから」

そう言ってさっさと行くよう促すと仕切り戸を閉めてしまった。

タオルは脇にある洗濯機の横に乗せてあって、その下に脱衣かごがあったのでそこに適当に衣類を脱ぎ捨ててバスルームへ入った。

髪と体を適当に洗ってサッパリしたと同時にため息がでた。

何だかここ数日で随分と気を遣った気がするけど、雅樹って話してみると案外普通の奴だなぁと思った。

見た目とクールな雰囲気だけで合わないって決めつけてまともに話した事も無かったからわからなかった。

相変わらずあんまり表情は変わらないし、声や話し方にも抑揚が無くて無機質

だけど、
笑った時の顔は優しくて、案外料理上手だったりする隠されたところもまだまだたくさんあるような気がして…


もっといろんな雅樹を見てみたいなと、少しだけ思った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ