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無題

第3章 中盤

風呂から上がると片付けを終えた雅樹がベッドの上で猫みたいに丸くなって寝息をたてていた。

興味本位で覗き込むと寝顔は安らかだが、顔色は血の気が引いたような白さで、目元には若干青みがかったクマが浮いているように見える。

もしかしたらあの日からあまり寝れていないのかもしれない。

学校でも二人の時でもいつも通りに見えたけど、ずっと、もしかしたら一人の時ですら気を張っていたのかもしれない。

そう思うと同時に罪悪感と自分の呑気さがズンと重くのし掛かってきた。

ベッドの横にはわざわざ机を移動して郁也用に簡易布団まで準備されていて尚更胸につっかえたような感覚を覚えた。

自分がいることでずっと雅樹を苦しめているのかもしれない…。

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