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無題

第3章 中盤

一瞬何を言ったのかわからなかった。

「…えッ…と―…」

何と言っていいのかわからなくて見つめ返すと、
雅樹は少し引きつった笑顔で見つめ返してきた。

瞳と体がほんの少しだけ怯えるように震えていて…
昨日の朝の事を思い出した。

雅樹自身震えていることに気づいていないようで、
暗い瞳を見てられずに静かに反らしてしまった。

「その話はまた今度ゆっくりとして…とりあえず、寝ようか?」

「…ん…」

少しホッとしたのかコクリと頷きほぐれたように優しく微笑むので
郁也は微笑み返してお互いに別々の布団に入った。

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