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勿論
この最悪の雰囲気で
２次回がある筈もなく、
居酒屋でお開きとなった。

女の子は
イケメンと
雅樹に集中しているので
郁也と飛鳥はただ
ドッときた気疲れと
終わった安心感に浸りながら
空気を合わせた。

暫く思案していた勇二が
何を思ったか
イケメンに近付いて行った。

急な事態に
反応が一歩遅れて
緊張したムードが流れる。

イケメンは
一瞬
面倒臭そうな表情をしたが、
すぐに営業スマイルを見せた。

「…何か？」

「悪かった」

「え？」

そう言って
軽くではあるが
頭を下げた勇二に
皆
沈黙。

「今日変な雰囲気出した事だ」

「あ…あぁ、別に気にしてないよ」

「いや、納得できねぇし、あんたが良ければだけど飲み直さねぇか？二人で」

「いや～…それは…」

完全に
何で俺がわざわざ
しかも
男二人で飲まなきゃならないんだよ
と言う迷惑そうな
苦笑いが出ていたが、
勇二は気にした風では無く続けた。

「あんたと話してみたくなった」

勇二があまりに
真剣な剣幕なので
郁也達も止めに入れず、
女の子も文句も言えず、
気まずく
固まってしまった。

イケメンは小さく息をはくと
空気を察したらしく
諦めたように
営業スマイルを
張り付けた。

「…わかった」

「おぅ、ありがとな」

そして
夜の町に消えた２つの背中を
呆然と
見送りながら
解散となった。

解散の直前くらいに、
女の子が一人
郁也の元に
寄ってきた。