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無題

第2章 始まり(後編)

「よう、昨日大丈夫だったか?」

「あぁ」

「…」


学校に着くと
いつものハイテンション
で勇治が話しかけてきた。

勇治は
24時間ハイテンション
のポジティブ野郎

で郁也とは
幼稚園からの親友。

寝てる時ですら
ハイテンションな寝言で
昔から周りを巻き込み
振り回すような奴だった。

いつも人に囲まれているし、
初対面でも
昔からの友人かのように
仲良くなってしまう
才能があった。


「お前渋ってなかなか帰らないから大変だったんだぞ」


勇治の横で
呆れたように
話しかけてきたのは
昔勇治に巻き込まれた一人
で飛鳥って
女みたいな名前の奴だ。

何事にも巻き込まれやすい性格
のようで
苦労性の為か
ため息混じりに話す。

口数は多くは無いが、
実は面倒見がよくて
真面目なので
何だかんだと
世話になっていたりする。


郁也「ごめん」

飛鳥「まぁいつものことだけどな」

勇治「雅樹も昨日ジャンケンに負けたとはいえ
面倒だっただろ?、
こいつ」

郁也「ジャンケンだったのかよ!?」

勇治「そうでもしねぇと誰もお前の世話なんてしねぇよ」

飛鳥までも
苦笑混じりに頷くので
俺は思わず勇治に食いついた。


郁也「そんなに俺は面倒臭いかよッ!?」

勇治・飛鳥「面倒臭い」

郁也「もういぃッ!」


むすくれながら
チラリと雅樹を見やったが
別段興味もなさそうに
椅子に腰かけていた。

いつも通りの日常に
内心ホッと
しながらも
雅樹のあまりにも
普段通りの姿に
若干不安感も覚えたが

あまり気にすると
ボロが出そうな気がして
気にしない事に決めた。

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