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落ちこぼれの救世主

第2章 ~出会い~

「今日は、お前がファイアーボールを発動できるようになるまで帰さないからな」

夕日を背に立ち、こちらを見据えるディル。

その表情は、面倒くさそうなカイとは正反対で真剣そのものだった。

「では早速、特別演習を始めるぞ。覚悟はいいな、カイ」

そう言ってディルは、不気味な笑みをたたえる。

それをカイは

――おいおい……ディルの野郎、俺をしごく気満々じゃねぇか

そう内心で呟き、あくびをする。

そうやって気を抜きまくっているカイに、ディルのやかましい声が飛ぶ。

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