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落ちこぼれの救世主

第1章 序章

「ふ……ファイアーッ!!」

澄み切った青空に、少年の声が響きわたる。

「「……」」

「あれ……、今日はちょっと調子が悪いみたいだな」

少年は困ったように頭をかき、かざした手のひらを握りしめる。

赤髪が風になびき、身にまとった黒のローブも髪と同じようになびく。

「いつもだったらすげぇ火の玉が、出るんだけどな」

ため息をもらし、少年は身を翻す。

目は紅色で肌は白、中肉中背で中性的な顔立ち。

ガシガシと頭をかき、何事もなかったかのようにその場を去ろうとする少年。

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