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落ちこぼれの救世主

第1章 序章

しかし、その背中に――

「ちょっと待てカイッ、どこへ行くつもりだ!!」

怒声がかかる。

その声に、カイと呼ばれた少年はピタリと足を止め

「俺がどこへ行こうと、ディル先生には関係ねぇだろ」

そう言って、視線だけを後ろに向ける。

その反抗的な態度に、ディルと呼ばれた人物は怒りに身を震わせて応じる。

「関係ない……だと? ファイアーボールもロクに発動できない"落ちこぼれ"の分際で、よくそんな口が聞けたもんだな!!」

声を張り上げ、ディルはカイに手のひらをかざす。

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