
16歳に恋する23歳の俺。
第11章 慧side
「なんかすげー楽しそうに笑ってたよ
大地さーんとか言って
その男に駆け寄ってた」
同僚の何気ない言葉が胸に刺さる
俺は優美花の笑顔を見たことがない
俺に駆け寄ってきたことがない
チクチクと胸が痛んだ
「で…その男はどんな奴だった?」
「うーん…
男の俺から見てもかっこいい奴だった」
「優美花はどんな感じ?」
「めっちゃ楽しそうだったよ」
シラッという同僚。
優美花はもう、
俺のことなんて
どうでもいいのか
そんな女々しいことを考えながら
仕事に戻った
