記憶のカケラ
第3章 勇気
私がぐるぐると考えている間に試合の終わりを告げるホイッスルの音が鳴った。
私のことをみつけた遼と周太は肩を組ながら
『勝ったぞー!!』
と叫んだ。泥だらけで、でも思いっきり笑う2人をみてさっきまで考え事してたのが嘘みたいに笑った。
しばらくして廊下をばたばたと走る音。
教室のドアが勢いよく開いた。
息を切らせた遼の姿。
「ふはぁー、待たせてわりっ!」
私のために急いで来てくれたことに嬉しくなる。
「お疲れ様。」
といいながら遼にお茶を手渡す。
「さんきゅー。」
なんていいながら遼はお茶をごくごく飲んだ。