記憶のカケラ
第3章 勇気
そのあとの帰り道。俺らは自転車にまた2人乗りをしながら帰る。
心なしか肩に乗る亜梨紗の手が少し熱い気がした。
「俺さぁ、ずっと幼なじみできたからもぅこのままかもって諦めてたんだ。むしろ壊れちゃったらどうしようって心配ばっかしてたんだ。」
「私も同じだよ。一緒にいられなくなるのが怖かった。だからいってくれたときすごく嬉しかった。ありがとう!」
亜梨紗も同じ気持ちだったのか…と少しの安堵。
「今まで勇気なくてごめんな。これからもよろしく。」
「あははっ。今さら挨拶って不思議な感じ。こちらこそ!」
ずっと亜梨紗の一番になりたい、なれたらいいのにと思ってた。
亜梨紗も同じ気持ちでいてくれたことがすごく嬉しかった。
なにより俺が気持ちを言ったことに答えて、笑ってくれたことが嬉しい。
これからも亜梨紗の笑顔を守りたいと強く感じた。