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記憶のカケラ

第3章 勇気

今なら言えるかもしれない。
そっと抱きしめてた亜梨紗を離す。

「~っあのなっ、今さらって思うかもしれないし、もしかしたらお前は何も思ってないかもしんないけど、」

顔の熱がどんどん上がっていくのがわかる。でもそのまま勢い任せに言葉を続ける。

「小さいころからずっと、お前のこと好きだよ。男だから下心がないとは言えないけど、そういうんじゃなくて…、亜梨紗の一番近くにいるのはいつも俺でありたい。」

俺の言葉を聞いて亜梨紗は少し驚いたようだった。俺の中で少し不安が募る。でも亜梨紗はすぐに笑顔になって、

「私もずっと遼が好きだよ。私だって遼の一番近くにいたい。」

と今まで見た中で一番綺麗な笑顔で言った。

俺は嬉しくて、また亜梨紗をぎゅっと抱きしめた。

「よかったぁ!!!あぁなんかすごく緊張した。」

「私もだよぅ。よかったぁ。」

そういって2人で照れて笑い合った。

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