記憶のカケラ
第4章 デート
今日は亜梨紗の部屋で勉強をした。
クーラーのついてない部屋で扇風機を回しながらアイスを口にする。
「あっついねぇ。いくらでもアイス食べられちゃいそうだよ。」
だらぁっとだらけながら亜梨紗が声を漏らす。
「お腹こわすぞ。」
俺の答えにう~んと声を唸らせる。
「あついねぇ。」
まるで無限のループにでもはまったみたいだ。
そしてまた不意に
「水道の水でも頭からかぶっちゃいたいくらいだよ。」
と亜梨紗が嘆いた。
そんな亜梨紗をみながら一呼吸して、俺はなるべく自然な感じに…
「じゃあ2人で海いって泳ぎに行くか。」
思い切って言ってみた。
俺の言葉に目をパチクリさせる亜梨紗。
もしかしてすごく不自然だった…?