記憶のカケラ
第4章 デート
黙っていた口が開き、ゆっくりと亜梨紗が俺に尋ねた。
「…それってデート?」
「…おぅ。」
2人して顔が赤くなってる気がする。
実はここ最近、誘おうかどうか迷っていた。
なかなかきっかけがなかったが…。
急だったから断られるかなぁなんて考えていると
「…久しぶりに山の展望台にも行きたい。」
とぼそっとつぶやいた。
山の展望台は学校を超えてすぐのところの山の中腹に広場のようになっている場所で星がよくみえる。
小さいころはよくお互いの家族と一緒に星を見に行っていた。
「じゃあ、明日にでも行くか。」
というと亜梨紗は笑顔で頷いてくれた。
嬉しくて明日がすごく待ち遠しくなった。