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記憶のカケラ

第5章 非日常


寄り掛かってるうちに景色がぼやけて見えてきた。

あ…なんかやばいかも。

そう思った瞬間目の前がぐらりと揺れた。
体の重心が左へ傾く。
足の力が抜けて傾いた。
でも私の体は地面に着く前に遼に抱きとめられた。

「亜梨紗っ!!!お前こんな雨の中何してんだっ!風邪引いちゃうだろっ!」

遼は口調は怒ってたけど支えてくれる腕が、私を見る目が、優しかった。
心配してくれてるんだ。

「遼遅いから待ってようと思って…。」

「~っ!遅くなってごめん。でもさ、亜梨紗が雨に濡れちゃったら先に帰ってもらってた意味なくなっちゃうだろ?とりあえず中であったまるぞ。」

そういって心配そうに私を家の中まで連れていってくれた。

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