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声をきかせて…

第12章 独り言

その頃、小野は切れた電話をまだ耳に当てていた。

余韻を聞いてるかのように…。

電話を下ろすと、引き出しから束になった紙を取り出した。

その紙を見ては小野は悩んでいた。

重ねているだけなのかも…と。

本当に山木 日菜子が好きなのかと…。

あの日、 恵子に『またヒナ?』と言われた時はあてられたと思った。

名前で日菜子ちゃんにひかれたのは間違いなかったから…。

ヒナちゃんと重ねていると思ってたから。

日菜子ちゃんは、恵子との仲を聞かなかったし、いつも日菜子ちゃんは、考えを分かってくれる。

話をしてとか、黙ってないで。とか怒らずに僕が答えやすいように話をしてくれる。

飲み物を聞くときも僕がうなずけばすむようにしてくれる。

僕にとって居心地が良かった。

でも…

ヒナちゃんと重ねていると思うと…







言葉には出せなかった。





僕も…好きだよ。とは…。

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