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目を瞑ると君の声が聞こえる。

第1章 ここでおわり

今度は足元に気を付けながら、暗闇の中を進んだ。










男の声は、どんどん遠ざかっていった。










どんだけ広いんだ、ここは。









男の声は聞こえなくなった。












「どなたかいらっしゃいませんか?」






正面から女の声がした。









「ここにいるよ!」







おれは答えた。










「そこにいるんですか?」








女が嬉しそうに応えた。









「ああ、いるよ! 来てくれ」









女の声がピタリと止まった。










「どうした? ここにいるぞ!」






大声で叫んだ。










おれは不安になった。

















すると、耳元で声がした。











「あひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ!」









おれは横腹を、なにか刃物のようなもので刺された。








「うわっ!」












「ひゃーひゃっひゃっひゃっひゃ!」










女が笑った。











「みーつけた!」









おれは女を突き飛ばした。






刃物が落ちる音がした。
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