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虚-Utsuro-

第3章 虚無-キョム-

あたしには居場所がない。
学校にも、家の中にも。

当然友達と呼べる友達だっていない。
信じられる人もいない。

家族だって誰もあたしのことを愛してはくれない。
あんな奴ら大嫌い。


誰かを信じたいし、依存したいって思ってるけど裏切られるのが怖くて勇気がでない。

裏切られるくらいなら友達なんていらない。


そんな臆病で卑屈な態度がまわりをどんどん遠ざけていることに、あたしはこの時気づくことすらできなかった。

今思えば、手を差し伸べてくれた友達もいたのかもしれない。
だけどあたしは自分の手でそれをすべて払いのけていた。



幸せなんて本当はすぐ傍におちているのかもしれない。


バカだった……。

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