スマイル ~*届3続編。気象・N*~
第7章 episode6~*本当はこんなもの*~
和くんの心配とは裏腹に、今日も何気なく仕事が終わり、
家に帰ると当たり前だけど誰もいなかった
当たり前だけど家は静まり返っていた
私はどうしてもこの無音の音が嫌いだ
もう何度も見たDVDをつけて
自分ともう1人分の料理を作って、片いっぽうをラップにくるむ
なんだか、前の悲しい生活に逆戻りしてしまったような気がして、
無意識に涙が溢れた
寝てていいよと言われたけれど、
こんな状況で眠れるわけもなく
ただ呆然と待っていた
それから数10分
和くんからメールが来た
「やっと終わった
早く唯に会いたい
急いで帰るから待っててね」
絵文字とか使われてないスラッとした文面だけど、
何か文字に温かみがあって
不安な私の心を溶かしていった
私はどうしても待ち切れなくて、まるでご主人さまを待つペットのように、
玄関で和くんの帰りを待った