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ふしだらと言わないで

第5章 慰み者の娘 2

 使用人として同じ湯には入れないと拒んだが、結局有無をいわさぬ形で連れ込まれてしまった



「双葉はさぁ
恋とかしたことないの?」
「あり…ません」
「誰かを好きになったことも?」
「…はい」
「ホントに?」



 憧れはあくまで憧れだ
 自分の境遇くらい弁えている

 好きでもない男とエッチしてる
 膣内で射精されている

 誰かを好きと言うには私の言葉はあまりにも軽い…



「美姫様は…
宮部様がお好きなのですね」
「そうだよ」



 照れくさそうに言う

 なんとなく羨ましかった
 誰かを好きと言えるのが…



「宮部を想うとね
胸が苦しくなって…
顔を見るだけで幸せになれる
いつも考えちゃってる」



 美姫は胸を押さえた

 私も胸に手をやる

 好きってなんだろう…

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