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ふしだらと言わないで

第7章 ラブ・エッチ・スリル~あたしだけが特別な感情を~

あたしは嫌な予感が的中したせいでその後の展開も自分の想像通りになるじゃないかとパニックを起こした

パジャマで玄関を抜け、肌寒い外へと駆け出していた



マンションの五階からの
朝も早いレアな景色

涙で霞みかけた

ひどく寒すぎる朝だった



あたしはエレベーターのほうに勢いよく角を曲がって誰かとぶつかる



「きゃっ」
「ってぇ…」

男の人の声



吹き飛ばされる形で転びかける

傾きが回復するのがわかった
引っ張られるような感覚

大きな手で優しく腰を抱かれてる



「あれ、柚香?」



素早くキャッチされたと思ったら端正な顔が至近距離で覗き込んでて、柚香にはそれが知らない人に見え、朝焼けに染まるとてもきれいな男の人だった

乙女なら誰でも心が揺れちゃうくらいの人でドキッと反応した



違う………
なんで知らない人に見えたんだろう



「…おにぃ!?」
「はぁ…なにやってんだよ」

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