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ふしだらと言わないで

第7章 ラブ・エッチ・スリル~あたしだけが特別な感情を~

由宇の妄言はともかく、ほとんど女子はおにぃに優しいHを夢見てそうであると疑わないだろう

ゾクッと背中から腰とお尻が寒くなって身震いする

みんな知らない…

本当のおにぃは、苛烈で悪魔みたいに冷酷な一面があって、優しいHなんてしてくれない気がした

仮にも妹だった女を、合意もなしに獣のように抱く、それぐらいの危険性を合わせ持っている



「な、なんの用?」
「辞書を借してほしくて」
「ちょっと待ってて」



時間割りに問題ない



「はい
午後使うから返してね」
「さんきゅ」
「…別に」



柚香は顔を背ける
まだどんな顔をすればいいか柚香は整理しきれてなかった

いや、違う
厳密に言えば忘れる努力をしている途中だと言えた

彼氏の手前、カレ以外とのセックスは記憶の底に封印するべきである

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