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ふしだらと言わないで

第7章 ラブ・エッチ・スリル~あたしだけが特別な感情を~

あれは事故だった
おにぃは情緒不安定で、柚香の中では酌量の余地があると判断し、一回のセックスくらい事故と割り切った

柚香も鬼じゃない
おにぃの心境を考え、許した

そう事故だった
なのでそう割り切った以上、とっとと忘れてしまうべきなのだが、柚香はそれがなかなかできないでいた



「おかえり」



おにぃに生返事を返した柚香には複雑な心境がある

あれからおにぃは兄妹としてやりやすいように振る舞ってくれており柚香は助かっている

本当は赤の他人なのだ
兄妹という形でもなければ、Hした男とどんな顔して暮らせばいいか柚香にはわからなかった



(あたし…)

おにぃがあんな風に壊れて、柚香は悲しくて泣いた

(あたし………)

そのとき、柚香が本当は何を思っていたかは自分がよく知っている

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