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ふしだらと言わないで

第7章 ラブ・エッチ・スリル~あたしだけが特別な感情を~

が、そこにいたのは冷たい表情で怒りを露わにする、優等生とは似ても似つかない素顔だった

一瞬先生がのまれる
あてが外れた顔をしている



周囲を見渡しスナップを見つけて状況を把握したおにぃが呟く

「ざけやがって…」



柚香に対して圧倒的に優位だった先生の流れが変わった

おにぃが現れただけで変態教師の空気と威勢が、追いつめられてるような、柚香といたさっきまでのものと違って、すごいとおもいながら心細い柚香はおにぃにすりつく



それが気に入らない先生はこめかみに筋を立てていた



「あまり教師をナメるなよ

きさま一人、どうとでも…」

「口の聞き方に気をつけろよ

あんたの社会的な地位は

俺が握ってるんだぜ?

つーか…」



おにぃは涙で潤み、口元の汚れた柚香の震えた顔を見た

柚香は、自分が情けなくて恥ずかしくて口をこすったが、感触は少しも消えなくて泣き笑いを浮かべ、この世から隠れたがった



ぶちっ………



「退学でもなんでもしろよ?

俺はてめぇがぜってぇ許せねぇ

地の果てでも追いつめるからな?

じわじわ追いつめてやる

まずはあんたの周囲からな

警察なんて生ぬるすぎる

俺が直々に社会から抹殺してやる」

「なっ…!?」



柚香は、あの日の自分に対しての怒りなど子供レベルだったと知った

本気で怒ってる…

柚香には、
壊れた渦中にあってなお、おにぃが傷つけまいと想って優しくしてくれていたことに驚きが隠せない



「ま、待て

わかった…」

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