テキストサイズ

ふしだらと言わないで

第3章 初めての恋の続き

 私は帰らず、仮病を使い
 ゆっくり話すことを選んだ



「…それは違う
沙世とは上手くいってる
真衣と別れたあと
俺を支えてくれたのが沙世だった
俺の誰より、大事な人だ」



 沙世が、名前なのだろう

 事実に胸が痛んだ
 あの頃、離れ離れになって辛かったのはお互い様だ

 それなのに私は自分だけが全てで辛いからと別れたがった

 誠司は苦悩したことだろう
 私の幸せが、誠司を決断させた

 誠司の選択は当然と言える

 辛い時にありったけで支えてくれる異性がどんなに胸を打つか…沙世さんは私なんかでは足元にも及ばない誠司に相応しい女性なのだろう



「なら…どうして?
奥さんが好きで、大事で
どうして私と寝たの?」
「沙世は愛してるよ
でも真衣…
俺の中では真衣と終わってない
まだ好きなままだ」



 それは反則だった
 頬が上気して火照った

 何年越しの愛だ?それは

ストーリーメニュー

TOPTOPへ