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ふしだらと言わないで

第3章 初めての恋の続き

 このような胸の高鳴り、無視できるわけがなくて、女としての私が激しく歓喜している

 女冥利に尽きた
 別れてなお誠司の中には私が残っていたことに熱くなる

 子供じゃないのだからと平静を装うが胸の下ではドキドキして、最中のような吐息が吐かれていた

 カレにはこんな気持ちにならない

 私はまるでお手つきを待つような表情で期待を促すが、誠司は色香に揺らがされることなく頭を下げた



「すまなかったと思ってる
こんな言い方怒られるだろうが…
一度抱いたら諦めるつもりだった」



 勝手な人だった

 セックスして気持ちが冷める傾向がある男と違って、女はセックスしたら気持ちが移ってしまうというのに



「真衣は…綺麗になってて
惚れない男なんざいないくらい
色っぽくていい女になってて…
何度も自分を止めたんだが
真衣が欲しかった
俺は結局この有り様だ
真衣を抱いて朝を迎えた
情けない人間だ俺は
どのようにしてくれて構わない
真衣の怒りは尤もだから
望むなら真衣の口から沙世に…」



 私にそんな気はなかった
 誠司の幸せを壊そうなどと私には考えられない話だった

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