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第13章 宣戦布告

梨華は今まで見たことがないくらいに怒っていた。

『何?』

『さっきは言い過ぎた。ごめん。』

『今、海斗から聞いた。
やっぱり付き合ってたんだって?
それにそのこと口止めしてたって?
付き合うの止める位、まだ好きなら好きっていえばいいじゃん。
隠した挙げ句の果てにそうゆうこと言うとか。
梓最低。
友達だと…親友だと思ってたのに…』

『ちょっとまって。
本当に海斗とは付き合ってない。』

『だから。もぅそうゆうのいいって。
梓のこと信用してないから。
梓、前からそうだよね。
友達とか、親友とか、言ってるけどさ、
好きなひとの話とか、あのときもそう、高校の時学校に来なかった時も、私本当に心配してたのに、教えてくれなかったし。
信用されてないってことだよね?
もう、これで分かった。
安心して。
もう話ししないから。』

『待って。』

気付いてた。
今言ったところで何にもならないのも。
私のいうことに聞く耳持ってくれないのも。
でも、とっさに止めてしまった。

『梓、好きなんでしょ?』

梨華のさっきまでの興奮状態とはうってかわって、悲しそうな目で言ってきた。

何を言っても無駄。
私は自分の思いを伝える勇気もなかった。

誤解されると分かっていて…思ったままを口に出した。

それが、私が梨華に対する気持ちだから。

誤解されると分かっていても…。

それが、私の告白。

『私、ずっと好きなひとがいるよ。
その人が傷付くようなことがあったら許せないし。
もし、その人が私を頼ってきたらどんなことでもしちゃうかも。』

私は生きてきた中で一番真剣な顔をしていたとおもう。

梨華は案の定誤解して

『だから、はっきりそれが海斗だって言いなよ!』

と怒鳴ってからその場からいなくなった。

見えなくなった梨華の影を思い出しながら私は泣いていた。

これで、終わり。


想いを言わなかったらずっと友達としてそばにいれると思っていた。


梨華に白い目で見られるのも、嫌われるのも私には勇気がなくて、好きだってずっと隠していた。

それがこんな形でいうなんておもってもいなかった。


全ては私が過去に海斗に会ったせい…。

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