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第4章 特別なオヤジ

叩かれ、私は逃げるようにして家を出た。


いく場所が無くて家に帰ったのに…

家にも居場所はなかった。


いく場所がない私は家の近くの公園のベンチに座っていた。


ベンチに座ると昔梨華とよく遊んだブランコや砂場があった。

昔は、私にも梨華にもお互いに隠し事もなかったし、

私には梨華だけ。
梨華には私だけだとずっと思っていた。

そのくらい仲が良くて一緒にいた。

小学校に入ってもよくこの公園で遊んでいた。

梨華の家と私の家の中間地点にあるこの公園では色々あった。

家出をしたと梨華のお母さんから電話が来て探していたら梨華はこの公園に居たり…。


バレンタインデーに、男の子に作ったんだけど味見をしてほしいということで呼ばれたりした。

本当は美味しかったのに…。男の子に渡してほしくなくて『あんまり美味しくない』といったのもこの公園だった。

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