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第6章 響と海斗

でも気付いたんだ。


梓には特別がいるって…。


梓と、知り合う前…。

梓が俺と赤詐欺をするようになる前…。


バイトしてるカフェの近くの神社で待ち合わせしていた車で何回か見たことのある車があった。


でも所詮は援交オヤジ。

援交しなければ縁が切れるはず…。

そう思っていた。


でも俺と組んでからもその車に梓が乗っているのを見掛けていた。

梓にそれとなく、聞いたこともあったけど…

『あの人は援交オヤジじゃない。』

と言っていた。

『援交オヤジじゃないなら何?』

と聞くと黙る。


梓の困ったような顔が嫌ですぐに謝ったけど。

頭のなかはそいつでいっぱいだった。

何回か見掛けるうちにそのオヤジの顔を完全に覚えていた。

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