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第11章 デートの日

梨華は目を開けるとひやりと冷たい感触がした所に目を向けた。

すると、海斗の好きなメーカーのロゴがベースのチャームが付いたネックレスだった。

梨華は嬉しくてたまらなかった。

自分の服装にちょっと合わないけど…そんなの気にならなかった。

それを付けたままホテルに入り、ホテルが経営しているレストランに入った。

スマートに食事をする海斗が梨華には大人っぽく、かっこよく見えた。


『大学どう?』


『楽しいですよ。
梓も居るし。高校一年の時は梓いないことが多くて…寂しかったんですよね。』

梨華は苦笑いしていた。

『俺はその時、梓が学校に行ってなかったから、今こうして梨華ちゃんに会えてると思ってるけど…。

……って俺、くさいね』

照れてるふりをする…。

『そんなことないですよ。
海斗さんと梓ってホントに付き合ってなかったんですよね?
あの時のこと、梓全く話してくれなくて…。』

ーーー言えないだろ。
そして俺も言わない。
援交してたことや、赤詐欺してたことやましてや俺が捕まってたことも言わなきゃいけなくなるから。

『付き合ってないよ。
梓なりに色々あったんじゃない?
俺は逆でその時のアイツしか知らないから。』

ーーー梓?アイツ?
梓のことを話す時の海斗さんは少し声のトーンと話し方が変わる。
仲が良かったのを思わせる位に、梓を知っている風に話す。

梓もそう。
梓は学校で男を呼ぶときは名字で呼んでいた。
しかも君付けで。
なのに海斗さんの事は海斗と呼び捨てにする。
付き合ってないにしても、過去はお互いに好きだったんじゃないか?と思っていた。

と同時に、海斗さんに呼び捨てされる梓に嫉妬していた。

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