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わすれない

第2章 それぞれの傷

美咲のところへ行かなくなって二日がたった。


ーー美咲は元気だろうか……?



仕事の上司に急遽呼ばれ、昨日から仕事に戻った。


「わるいなぁ、せっかく休みだったのに。」



俺の前を歩きながら中津川さんはいった。


「いや、大丈夫ですよ。しかし、急ですよね~。納期を今日までとか。部長機嫌悪かったですもんね。」


中津川さんは俺の一個先輩だ。何かと話が合い、いまでは兄貴のように慕っている。



「……しかし、お前なんかあったのか?」



「へぇっ……?!」





俺はビックリして変な声をだしてしまった。


「だ か ら ! 女となんかあったんだろ?」



中津川さんはズバッと言い当てた。俺は何もいえなかった。

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