テキストサイズ

わすれない

第2章 それぞれの傷

看護師はそれはわからないといっていた。俺は急いで病室に向かう。


ドアを開けようとしたとき後ろから声が聞こえた。


「申し訳ない。まだ、鈴本さんと連絡がつかないのです。」

「大丈夫です。私も退院はまだですし、退院してからお礼に行けるようであれば。と思っていたので……。」


振り返ると美咲と男のひとがいた。親しげに話しているのをみて何故かイラッとした。


──あいつじゃないみたいだけど、誰だ?


俺が声をかけようとしたとき美咲がこちらに気づいた。


「あっ!いたっ!」


美咲が、俺を指差し叫んだ。


「おっ、おう! 元気そうだな……。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ