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おにいちゃんのおもちゃ

第18章 海で……:兄

さっきの海の家は昼食時が過ぎたので少し空いている。


「いらっしゃいませー」


何人かの水着の女が注文をとっている。
小麦色のギャルが働く中、白い水着の女は明らかに馴染めていない。


「……」


俺と目が合う。
女が涙目になっている。


よく見ると、客の男たちが、女の脚や尻を触っている。
注文はせず、ニヤニヤしながら女の身体を舐めるように見ている。
ギャルたちは上手にかわしているのに、どうしたらいいかわからずオロオロしている。


「やめて……ください。あの、ご注文は……」


震えながら声を絞り出している。


「おねーさん、こっち、ソフトクリームちょうだい」
「あっ、はーい」


再び女を男たちから離す。


ソフトクリームを女が持ってきた後、姿が見えなくなった。
俺は海の家をでて、裏に行ってみる。





……いた。





「うっうっ……」





震えながら泣いている。





「大丈夫?」
「あ、さっきの……。何度もありがとうございました」
「あいつらヒドイね」
「はい、でも、私もどうしたらいいのかわからなくて……。このバイト、向いてないみたい」
「……慣れてないだけだけだと思うよ。今日はもう終わり?」

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