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おにいちゃんのおもちゃ

第20章 時子:兄

「時子、走れ」


時子の手を掴んでその場から走る。
男達の声が聞こえるが振り返らず走る。
声はだんだん聞こえなくなった所で足を止める。


「はぁはぁっ、はぁはぁっ……」


岩場まで来た。


美砂とHなことをした岩場。


「はぁっはぁっ……苦し」
「はぁはぁっ……時子……大丈夫?」


2人で岩場の影に座って息を整える。


時子が慌てて水着を直す。






「もうあのバイトやめたら……?」
「……はい……」


ギュっと時子を抱きしめる。


胸が苦しい。


前に会った時よりも俺は時子が好きになっている。
あんな店で働かせられない。
心配で……
それに、俺のものなのに……


まだ震えている時子。


「心配かけてごめんなさい……」
「うん」


髪を撫でる。


徐々に震えは止まって……


時子は俺に身体を預けてくる。


目が合う。






ドキ……







男を求める女の瞳。










気が付いたら、キスしていた。


どうしてキスしてるだけなのにこんなにドキドキするんだ。


時子は抵抗しない。
俺と唇を合わせている。
柔らかい唇。


少し離して、見つめ合って……


ゆっくりと唇を合わせる。

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