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おにいちゃんのおもちゃ

第4章 嫉妬:兄

チャイムと同時にユカが教室に入ってくる。
あれから中出しした精液の処理をしたのだろう。
まだユカは頬が赤く色っぽい空気を漂わせている。



男どもがニヤニヤしてユカを見ている。



「公彦、またヤっただろ」
「ん?さあね」


ま、バレバレか。



「大学余裕のヤツはいいよなあ〜、女と遊べて」
「はいはい」



適当に前の男をあしらって授業を受ける。








家に帰ると、美砂も帰ってくるところだった。

隣に誰かいる。




……男?




やけに距離が近いような……




「じゃあ、考えておいて」

同級生らしい男だ。
美砂と同じ学校の制服を着ている。
学ランを着崩したその男は、美砂にそう告げて帰っていく。
顔が赤い。

美砂に気があるのか。


美砂もぽかんとした表情をして顔を赤くしている。





……あの野郎。





「あ、おにいちゃん、おかえりっ」

いつもの人懐っこい笑顔を俺に向ける。



あいつ、俺のおもちゃを横取りしようとしやがって。
美砂が優しいから勘違いしたのだろう。
この笑顔もあいつに見せたのか。



「ただいま、美砂、さっきの誰」
「坂野くん?クラスの男子だよ」
「……彼氏?」
「えぇっ、違うよぉ〜、坂野くんはそんなんじゃないよ」
「でも、美砂に気があるんじゃないか」
「坂野くんはそんなことないよぉ」
「でも、美砂はかわいいから、気をつけるんだよ」
「もー、大丈夫だってばあ」



美砂の口から違う男の名前が出るだけでイラつく。
……わからせてやらないと、な。



「美砂、後で部屋に行くから」
「う、うん……」



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