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もう1度好きになってもいいですか?

第2章 最悪の再会

「彩、トイレ寄っていこ」
「うん、わかった。
早くしなよ、わたし外で待ってるから」
あたしが手を洗っていると、話し声が聞こえてきた。
「おっ!高橋じゃん。
お前さ、ホームルーム中に俺の名前、叫んだ女、知っ
てる?」
男の声だ。彩に何かを聞いているらしい。
その女って、あたしのこと⁉
「…っっ!し、知りません。」
彩はあたしのことをかばってくれてる。
「ふーん。嘘が下手だな、高橋は。
答えろよ、誰なんだよ?」
あたしのことで、彩が責められるなんておかしい!
あたしはトイレを出た。
「ちょっと、あたしの友達に何してんの?」
「あ、杏!」
彩は、あたしの後ろに隠れた。
「…杏?」
男はつぶやいた。
「叫んだのあたしだけど、それが何?」
「転校早々、俺の名前叫ぶとか、意味不明の女っていう
のはお前か?」
「…意味不明って。
てか、あんた誰?」
「お前、俺の名前も知らずに転校してきたのか?
俺は、本橋 純平だ。」

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