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もう1度好きになってもいいですか?

第4章 ふたりの過去

当然、本人の意思ということもあり、純平は親元に帰ることとなった。

しばらくして、純平の母と名乗る女がやってきた。

「あぁっ…純平、久しぶりね。これから、一緒に暮らせるのよ、お母さん、とっても嬉しい!」

そう言いながら、純平を抱きしめる母親の目は笑っていなかった。


『純、大丈夫?あんな、親のところへ行って。』

「なに言ってんだよ?俺、自分のお母さんがあんなに綺麗だと思わなかったよ。あんな母さんとこれから暮らせるなんて、幸せだ。あん、また、手紙送れよ?待ってるからな。」

それが純平とかわした、最後の言葉だった。



『…それ以来、音信不通。そして、やっと再会したの。』

「そうか」

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