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もう1度好きになってもいいですか?

第4章 ふたりの過去

『あ、れ?』

気づけば、もう、時計は7時を回っていた。

体も熱くないし、大丈夫かな?

下に降りると、お母さんとお父さんがごはんを食べていた。

「あら、もう大丈夫なの?」

頷くと、あたしはテーブルにつき、お茶をすすった。

「杏、あんたを送ってくれた子、誰だっけ?河南くん?ちょっと、純ちゃんに似てたわね。」

うちのお母さんは純のことを純ちゃんと呼んでいた。

『純、うちの学校にいたよ』

「え!純平いたのか?」

純を自分の子供のように可愛がっていたお父さんは嬉しそうな声をあげた。

「元気か?どこに住んでるんだ?飯はちゃんと食ってんのか?」

『元気だよ』

あたしは精一杯の作り笑いをしながら、一言だけ答えた。

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