幼いえっち
第30章 記念日デート
「チカ遅かったじゃん。
もうコマーシャル、始ってるよ
って、あれ!?
ポップコーン買ったの?」
席に座ったカイくんが
何も知らずにそう言ってきた。
「あ、うん。
カイくん、お腹空いてるかなと思って」
買ってきたポップコーン、
思った以上にカイくんは喜んでくれた。
やっぱりお腹、すいてたみたい。
よかった、と思う反面。
この映画館の中に市原先輩がいると思うと
なんだか
監視されているような気分になって
落ち着けなかった。
映画が始り
映画館は一段と暗くなる。
カイくんはあたしとの間にあった
腕置きをどかし、
あたしの手を握ってきた。
「もっとコッチ、来いよ。」