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運命に導かれて

第1章 はじまり

いつの時代のことなのか、どこの地域のことなのか、誰も詳しく知らない。


それでも時を越えて語り継がれる物語がある。



はじまりは、ある王国に待望の赤ん坊が産まれたことだ。

王と妃は、長いこと子宝に恵まれなかった。


同じく子宝に恵まれない隣の王国の王と妃とは、この共通点のおかげで仲良くなった。


いつか子供が産まれたら。

かつ、男の子と女の子だったら。


子供同士を許嫁にして王国を結ぼうと約束をかわしていた。



先に赤ん坊を授かったのは隣国の王妃だった。

妃も王も、まるで我がことのように喜び、国をあげて祝った。


産まれたのは、男の子だった。

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