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運命に導かれて

第3章 甘い気持ち

何日かたった。


ミアキスはまた商売に出掛けて行った。

ディアナの母親はまだ意識が戻らなかったが、ディアナは毎日歩いて見舞いに行った。


はじめは“外側”の貧しいディアナのことを蔑視していた看護師たちも、ディアナの美しい心が見えるようになって、態度が変わっていた。


この日も、病院の帰りだった。


少し歩いていると、後ろから呼び止められた。


「お美しいお嬢さん。お送りしましょう」


振り返ると、オルフェウスが立っていた。王子ではない、オルフェウスだ。

ディアナは飛び付きたい気持ちをおさえて駆け寄り、笑顔を輝かせた。

「ああ神様!なんてことでしょう!どんなにあなたにお会いしたかったことか!」

「光栄です。わたくしも、お会いしたかった。お母様はいかがですか?」


オルフェウスはさりげなくエスコートし、並んで歩きながら話した。


「その節は本当にありがとうございました。母はまだ意識が戻りません。でもあなたのおかげで、ちゃんと生きています。」

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