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運命に導かれて

第3章 甘い気持ち

ディアナは、貧しい家に産まれたこと、父親がある日出て行ったこと、母親と地道に稼いで暮らしてきたこと、母親が病気になり、借金ができ、金貸しに身体を売られたこと、それ以来ずっと娼婦をしていることを話した。


「わたしは、普通の乙女と違って汚れています………最も“外側”に属する、その中でもとりわけ卑しい身分です。あなたに、口もきいてもらう資格すら、ないのです………」


オルフェウスはだまって聞いていた。
心が痛かった。

こんなにも若く美しい女性に、神様はなぜここまでひどい試練を与えたのだろう。

彼女を救うことが、自分にできないだろうか?
どうすれば彼女は救われるのだろう。


「ですから、もう、こんなわたしのことなど、お忘れ下さい…………」

ディアナは涙を流して言った。

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