テキストサイズ

運命に導かれて

第3章 甘い気持ち

オルフェウスはひざまづいて、ディアナの手を恭しくとった。


「女神の名をもつ、ディアナよ………そんなことで、わたしのあなたに対する愛を消すことなど、できやしない。いや、例え何者にでも………」


「オルフェウスさま………おやめ下さい………」


「あなたは、わたしのことが嫌いですか?他に思い人がいるのですか?」


オルフェウスは手を放さなかった。


「わたし…わたしは………ええ、あなたを愛しています…だから、つらいのです。あなたのような身分の方が、わたしのような者と交わるなど、誰も許しはしません。あなたがつらい思いをするだけです…清い身体のうちに、あなたにお会いできなかったこと、悔やみます。」

オルフェウスは立ち上がった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ