テキストサイズ

運命に導かれて

第5章 愛の行方

もしかしたら、王国を転覆させようとたくらむ他国から送られた人間かもしれない。

そうだとしたら敵ながらあっぱれというものだ。

ここまで完璧にカモフラージュして誰の心をも油断させるのだから。


王は直感で、それはあり得ないとわかっていたが、やはり調査せざるを得なかった。


オルフェウス王子とディアナは、二人きりになることを許されなくなった。

必ずお付きの者が同席するようになった。


まだ正式に認められていない状態で「何か」があっては困るからだ。


それでも二人は幸せだった。

こうして不自由なく一緒にいられて。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ