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暗い少女は明るい少女?

第10章 柊一の意地

「純!美奈!」灰音が叫ぶ。

「フフ。負けたくないもんね。」

「汚い!」  

「なんとでも…。」そう理美が言った時だった。

「おまわりさーん、こっちこっち。」と言う声。

ギクッとした松木姉妹は慌てて逃げ出した。続いて大学生も。
パトカーの音がしたが、

「大丈夫?」と屈んだのはすみれさんだった。

「すみれさん?」  

「けがはない?灰音さん、柊一さん。」

「僕たちはないけど。純たちは?」 

「俺はないけど…。美奈は?…美奈!」

「どうした?」

見ると床に倒れている。びっくりしたが落ち着いて確かめると気絶してるだけだった。
純が美奈をおぶさり、僕たちは外に出た。

「お嬢様!すみれお嬢様!」

執事みたいな恰好した背の高い、知的な顔をした青年がすみれを呼んだ。

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