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暗い少女は明るい少女?

第45章 春休みの大作戦 

俊さんが明るく笑った。

「髪なら切れば良い。」

「えっ?でも…」

「顔に火傷したんじゃないから。明日にでも泉さんとこの散髪屋行って来るよ。」

僕は俊さんをじっと見つめた。
僕は髪を焼かれたりしたら友人を気遣ってこんなに明るく振る舞うことなんて出来ない。
俊さんの染めたダークブラウンの髪がチリヂリになっているのを見て僕は胸が痛くなった。
こんな髪になって平気な筈がない。
口では明るく言っているけど無理をしているように見えてしまう。
少し悲しげな無理した笑顔。
僕はこの顔を知っていた…。

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