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その日は朝から天気が悪かった。
突風が吹きまくっているのだ。
これは｢風男｣の僕のせいではない。
僕が外にいようがいまいが関係なしに風が吹きっぱなしなのだから。

｢すごい風ね。｣

水色のバレッタで横髪をハーフアップに纏めた灰音が言う。
髪を切ってからの灰音の髪型は専らこれである。
因みに美奈はセミロングにカチューシャ、相沢さんは緩いパーマをかけていた。

｢風だけじゃなくて気温も低いよね。雪なんか降らなきゃ良いけど。｣

僕はコートのポケットに手を突っ込み、首をすぼめて歩いていた。