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暗い少女は明るい少女?

第53章 僕の弟

「そこまでにしとけ。ティリンス。」

凛とした声が響いた。

「クリス兄さん…か。」

クリスさんが僕とティリンスさんの間に立った。

「柊一くんが言っていることは本当のことだよ。お前、執事の癖にお嬢様が何をやったか全然知らなかったんだな?」

「…百合様が何をしたというんです?」

クリスさんは了承を取るように僕を見る。
僕が頷くのを確認すると簡潔に今までのことを話す。

「百合様が…本当に?」

ティリンスさんは愕然としていた。
そりゃあ、そうだろう。
自分の信じてたお嬢様がそんなことしたんだと分かったら。

「ティリンス、執事としてこれからどういう行動を取るかはお前次第だ。自分がどうすべきかゆっくり考えてみな。」

クリスさんはそう言うと僕に帰るように促した。

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