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暗い少女は明るい少女?

第53章 僕の弟

夕食を決める権利は母親にある。
僕たちの母親は夕食について何が良いかよく聞いてくる。
理由は単純。
毎日の献立を考えるだけで一苦労だそうだ。
だから僕は聞かれた場合はなんとなく思い付いた料理を口にしてみる。
その意見は通ったり、通らなかったりするが。
希一のために夕食を焼肉という手は母さんも考えていたようだった。

「希一が断った?」

「うん。夕食、焼肉にする?って聞いたのよ。食欲不振かな?いつもなら飛び付くのに。」

確かにいつもの希一ならあり得ない反応だ。

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